
ノンフライヤーはまずい、というネガティブな噂を耳にして、購入の一歩を踏み出せずにいませんか。
買ってから後悔したくない、本当に今買うべきなのか、その特徴やメリットだけでなく、見過ごされがちな欠点やデメリットも深く知りたい、と考えるのは賢明な判断です。
この記事では、ノンフライヤー料理がなぜ「まずい」と感じられてしまうのか、その科学的な理由から調理の仕組み、そして秘められた本当の実力まで、あらゆる角度から徹底的に解説します。
一部ではオワコンとも囁かれますが、それは大きな誤解です。実はおいしく作るコツさえ掴めば、日々の食生活を豊かにする、驚くほど便利な調理器具に変わるのです。
ニトリやパナソニックといった人気メーカーの製品比較を交えた後悔しない選び方から、すぐに試せる簡単レシピまで、あなたのあらゆる疑問をこの記事で解決します。
◎この記事で分かること
- ノンフライヤーが「まずい」と言われる本当の理由
- 料理の味を格上げする具体的なコツと簡単レシピ
- 買ってから後悔しないための正しい選び方
- 人気メーカーの比較とおすすめモデル
ノンフライヤーがまずいと言われる噂の真相

ノンフライヤーがまずいと感じる理由

ノンフライヤーで調理した料理が「まずい」と評価されてしまう背景には、主に2つの物理的な理由、「食感のパサつき」と「味の淡白さ」が存在します。
これらは決して製品の欠陥ではなく、ノンフライヤーが採用する独自の加熱技術に起因するものです。
まず、伝統的な油での揚げ物調理を考えてみましょう。180℃前後の高温の油に食材を入れると、食材表面の水分が瞬時に蒸発し、デンプン質が固化して「衣」が形成されます。
この衣がバリアとなり、内部の水分や旨味成分をしっかりと閉じ込める役割を果たします。
さらに、油自体が持つコクや風味が食材に加わることで、我々が「美味しい」と感じるジューシーで風味豊かな味わいが生まれるのです。
一方、ノンフライヤーは油を熱媒体とせず、高温の熱風を食材に吹き付けて加熱します。
これは調理法としては「揚げる(Fry)」よりも「炙り焼き(Roast/Bake)」に極めて近いアプローチです。
このため、特に鶏むね肉やささみといった脂肪分の少ない食材は、調理過程で内部の水分が過剰に蒸発しやすく、結果として食感がパサパサになりがちです。
また、油の風味が加わらないため、塩やスパイスの風味だけで勝負することになり、どうしても味が淡白に感じられてしまう傾向にあります。
つまり、「まずい」という感想は、「油で揚げたジューシーな唐揚げ」という先入観を持ってノンフライヤーの料理を口にするからこそ生じる期待値とのギャップが最大の原因なのです。
これは、ノンフライヤーを「揚げ物調理器」ではなく、「食材の油分を活かしてヘルシーな焼き物を作る調理器」と捉え直すことで、その真価が見えてきます。
特性を正しく理解し、調理法を最適化すれば、この問題は十分に解決可能です。
高温熱風で調理するノンフライヤーの仕組み

ノンフライヤーは、その名の通り油を使わずに揚げ物のような食感と見た目を再現する画期的な調理家電です。その心臓部とも言える基本的な仕組みは、「最大200℃以上の高温熱風を、密閉された庫内で高速に対流させる」という非常にシンプルなものです。
本体上部に内蔵された強力なヒーター(電熱線)が、まるでドライヤーのように周囲の空気を一気に目標温度まで加熱します。
そして、大型のファンがその熱風を勢いよく庫内に送り込み、渦を巻くように高速で循環させます。
この絶え間ない熱風が、バスケットに入れられた食材の全方位から均一に当たることで、表面の水分を効率的に飛ばし、サクサクとした食感を生み出すのです。
同時に、食材自体が元々持っている油分が熱によって溶け出し、それが衣の役割を果たして「揚げ焼き」のような状態を自ら作り出すため、調理油を追加する必要がほとんどありません。
コンベクションオーブンとの根本的な違い
熱風をファンで循環させるという点で、ノンフライヤーはコンベクションオーブンとよく比較されます。
しかし、両者には明確な設計思想の違いがあります。
コンベクションオーブンは比較的広い庫内を持ち、焼きムラをなくしてじっくり火を通すことを目的としています。
対してノンフライヤーは、意図的に庫内をコンパクトに設計し、より強力な熱風をより速いスピードで循環させることに特化しています。
これにより、短い予熱時間で、食材の表面を短時間でカリッと仕上げる「揚げ物らしさ」の再現に優れているのです。一方で、一度に調理できる量はコンベクションオーブンに劣ります。
この「狭い空間で熱風を高速循環させる」という仕組みこそが、ノンフライヤーの長所と短所の源泉です。
この原理を深く理解することで、なぜ食材がパサつきやすいのか、そしてそれを防ぎ、最大限に美味しく仕上げるにはどうすれば良いのかが、自ずと見えてくるでしょう。
ヘルシー調理だけではない特徴 メリット
ノンフライヤーの最大の魅力は、油の使用量を劇的に減らせることによるヘルシーさですが、その恩恵は健康面だけに留まりません。
日々の家事を楽にし、時間を創出する、生活を豊かにするための具体的な利点を4つの側面から詳しく見ていきましょう。
1. 大幅な脂質カットによる健康への貢献
言うまでもなく、最大のメリットは調理に油をほとんど、あるいは全く使わない点です。
バスケットの下に落ちた油の量を見て驚くユーザーも少なくありません。
食材が持つ余分な脂を落としながら調理するため、一般的な揚げ物と比較して大幅に脂質を抑えられるとされています。
揚げ物などの調理法は脂質の過剰摂取につながりやすいとよく言われています。
ノンフライヤーは、こうした課題に対する有効な解決策の一つとなり得ます。
健康診断の数値が気になる方や、体型を維持したい方でも、罪悪感なく揚げ物風の料理を楽しむことができます。
注意
油分のカット率については、各メーカーの公式サイトで特定の条件下での測定値として公表されている場合があります。例えば、COSORIの公式サイトでは「油分を最大85%カット」といった記載が見られますが、これは調理する食材や条件によって変動します。正確な情報については、公式サイトをご確認ください。(参照:COSORI公式サイト)
2. 圧倒的な時間的・精神的コストの削減
揚げ物調理の最大の障壁は、調理後の後片付けです。
大量の廃油の処理、コンロ周りや壁への油はねの掃除は、多くの人にとって大きな負担です。
ノンフライヤーはこれらを全て過去のものにします。
調理後の面倒な油の処理は一切不要。バスケットや網は取り外して丸洗いできるモデルがほとんどで、近年では食洗機に対応している製品も増えており、さらに手間を省けます。
この「片付けからの解放」は、計り知れない時間的・精神的余裕を生み出します。
3. 火を使わない安全性と「ほったらかし調理」の実現
キッチンでの事故で多いのが、火の取り扱いです。
ノンフライヤーは電気で稼働するため、調理中に火事を心配する必要がありません。
タイマーをセットすれば、あとは完全に「ほったらかし」で調理が完了します。
その間に他の料理を仕上げたり、子供の世話をしたり、少し休憩したりと、時間を自由に、そして有効に活用できるのは、忙しい現代人にとって非常に大きなメリットです。
4. まるで専門店「リベイク」機能の驚異的な実力
ノンフライヤーの隠れた実力として、冷めた揚げ物を温め直す「リベイク」性能の高さが挙げられます。
スーパーで購入した天ぷらや唐揚げ、フライドポテトなどをノンフライヤーで数分温め直すだけで、余分な油が落ちてサクサク感が復活します。
電子レンジのマイクロ波による温めでは水分でべちゃっとしてしまいがちですが、ノンフライヤーは熱風で水分を飛ばしながら加熱するため、まるで揚げたてのような、あるいはそれ以上にカラッとした食感が蘇るのです。
この機能だけでも購入価値がある、という声も少なくありません。
購入前に知るべき欠点 デメリットとは
多くのメリットを持つノンフライヤーですが、万能の調理器具ではありません。
購入してから「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐため、事前に知っておくべき4つの現実的な欠点やデメリットを正直にお伝えします。
1. 想像以上の設置スペースと存在感
製品写真ではコンパクトに見えがちですが、ノンフライヤーは意外とサイズが大きく、キッチンで存在感を放ちます。
特にファミリー向けの大容量モデルは、5合炊きの炊飯器を優に超えるスペースを必要とすることも珍しくありません。
購入前にはメジャーを使い、設置したい場所の幅・奥行き・高さを正確に測り、本体サイズと比較するという一手間を絶対に惜しまないでください。
また、本体後方や上部から高温の蒸気や熱風が排出されるため、壁や棚から一定の距離を保つ必要があり、その「排気スペース」も考慮に入れることが重要です。
2. 一度に調理できる量の限界
ノンフライヤーの調理性能を最大限に引き出すには、熱風が食材全体にムラなく当たるよう、食材を重ねずに調理することが推奨されています。
そのため、本体サイズが大きいからといって、必ずしも大量調理ができるわけではありません。
例えば、唐揚げなら一度に調理できるのは4~5個程度が限界のモデルもあります。
4人家族の夕食のおかずを一度に作るのは難しく、数回に分けて調理する必要があり、結果的に時間がかかってしまうというケースはよく聞かれる話です。
3. 無視できない調理中の動作音
高温の熱風を強制的に循環させるため、調理中はファンが「ヴォー」という音を立てて回り続けます。
その音量は製品にもよりますが、一般的に「ドライヤーの中~弱風程度」と表現されることが多く、静かなリビングやワンルームではかなり気になるかもしれません。
特に、赤ちゃんのいるご家庭や、集合住宅で壁が薄い場合、早朝や深夜に利用したいと考えている方は、この動作音が一つのハードルになる可能性があります。
4. 油で揚げるよりも長い調理時間
スピードを求めるなら、油での揚げ物に軍配が上がります。例えば、唐揚げは180℃の油なら数分で火が通りますが、ノンフライヤーでは予熱時間(約3~5分)を含めて15分から20分ほどかかるのが一般的です。
もちろん、その間は「ほったらかし」にできるという大きなメリットはありますが、「お腹が空いたからすぐに食べたい」というシーンには、もどかしさを感じるかもしれません。
料理が劇的に変わるおいしく作るコツ
ノンフライヤーで料理がまずいと感じる最大の原因は、調理法の特性を理解せずに作ってしまうことにあります。
しかし、ご安心ください。
ほんの少し科学的な根拠に基づいたコツを実践するだけで、あなたのノンフライヤー料理はそのポテンシャルを最大限に発揮し、劇的に美味しくなります。
ここでは、絶対に押さえるべき3つの重要なポイントを詳しくご紹介します。
1. 下味は「いつもより濃く」「浸透させる」
ノンフライヤー調理では、油のコクや風味が加わらないため、どうしても味がぼやけやすくなります。
そのため、下味は普段のレシピよりも塩分やスパイスを1.2倍程度にする意識で、少し濃いめにつけるのが成功への第一歩です。
さらに重要なのが、味を食材の表面だけでなく内部まで浸透させること。
醤油、みりん、ニンニク、生姜などを揉み込んだ後、最低でも30分、理想を言えば半日~一晩ほど冷蔵庫で寝かせることで、タンパク質の分解酵素が働き肉質が柔らかくなると同時に、味が芯まで染み込み、加熱してもパサつきにくいジューシーな仕上がりになります。
2. 衣は「調理直前」に「極力薄く」
片栗粉や小麦粉などの衣は、ノンフライヤー調理の成否を分ける重要な要素です。
衣をつけたまま長時間放置すると、食材から出た水分を吸ってしまい、加熱しても粉っぽさが残ったり、ベタついたりする原因になります。
衣は必ずバスケットに入れる直前に、食材の表面に薄い膜を作るイメージで均一にまぶすようにしてください。
ポリ袋に粉と食材を入れて振る方法が手軽でおすすめです。
余分な粉は、バスケットに入れる前に手で軽く叩いてしっかりと落とすこと。
これが、専門店のようなサクッとした食感に仕上げるプロの秘訣です。
3. 魔法の一手間「オイルスプレー」を科学的に活用する
ノンフライヤー調理のクオリティを飛躍的に向上させるアイテムが、オイルスプレーです。
これは単なる気分の問題ではなく、科学的な理由があります。
調理前に食材の表面にオイルを霧状に薄くスプレーすることで、熱風の熱伝導率が格段に向上します。
油は水よりも高温になるため、食材表面の温度を効率的に上昇させ、揚げ物特有のカリッとした食感(メイラード反応やカラメル化)を促進します。
また、油の粒子が衣をコーティングすることで、内部の水分の蒸発を防ぐ蓋の役割も果たします。
油で揚げるよりもはるかに少ない油(数プッシュで1~2g程度)で済むため、ヘルシーさはほとんど損なわれません。
オリーブオイルやごま油など、料理に合わせてオイルの種類を変えることで、風味のバリエーションも楽しめます。
コツを活かしたおすすめの簡単レシピ

前述の「おいしく作るコツ」を最大限に活かせば、家庭の定番揚げ物もノンフライヤーで専門店の味に迫るクオリティで仕上がります。
ここでは、理論を実践に移すための、初心者でも失敗しない具体的なレシピを2つご紹介します。
絶品!科学するジューシーノンフライ唐揚げ
パサつきがちな鶏肉を、科学的アプローチでジューシーに仕上げるレシピです。
- 下準備: 鶏もも肉(1枚・約250g)の余分な脂肪を取り除き、厚さを均等にしてから一口大に切る。ポリ袋に入れる。
- 漬け込み: 醤油(大さじ2)、酒(大さじ1)、砂糖(小さじ1/2)、すりおろしニンニク・生姜(各小さじ1)を袋に加え、袋の上からよく揉み込む。砂糖を加えることで保水性が高まり、肉がしっとりします。空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫で最低1時間、できれば一晩寝かせる。
- 衣付け: 調理直前に、片栗粉(大さじ3)を加えて袋を大きく振り、全体に薄く均一に衣をつける。余分な粉は軽く叩いて落とす。
- 加熱: ノンフライヤーを180℃で3分予熱する。バスケットに鶏肉を重ならないように並べ、オイルスプレーを全体に軽く吹きかける。
- 調理: まず180℃で8分加熱。一度バスケットを取り出して全体を軽く揺すり、肉を裏返す。再度オイルスプレーを軽くかけ、最後に温度を200℃に上げて5~7分加熱し、表面をカリッと仕上げる。
外カリ中ホク!究極のフライドポテト
冷凍ポテトでも可能ですが、生のじゃがいもから作ることで格段に美味しくなります。
- 下準備: じゃがいも(中2個)の皮をむき、1cm角の棒状に切る。5分ほど水にさらし、デンプンを洗い流す。
- 下茹で: 鍋にじゃがいもとたっぷりの水、塩(少々)を入れ、沸騰してから3~4分、竹串がやっと通るくらいの固さに茹でる。ザルにあげて水気をしっかり切り、キッチンペーパーで表面の水分を完全に拭き取る。この下茹でがホクホク感の秘訣です。
- 味付け: ボウルにじゃがいもを入れ、塩・こしょう(各少々)、お好みでガーリックパウダーやパプリカパウダーを振り、オリーブオイル(大さじ1)を加えて全体に優しく絡める。
- 加熱: 200℃で3分予熱したノンフライヤーのバスケットにじゃがいもを広げて入れる。
- 調理: 200℃で15分~20分加熱。途中、5分おきにバスケットを揺すって全体を混ぜることで、焼きムラなく均一なキツネ色に仕上がります。
どちらのレシピも、「下味の工夫」「衣は直前」「オイルスプレー」「温度管理」といったコツが盛り込まれています。
この基本を押さえるだけで、とんかつやアジフライなど、他の様々な料理にも応用できますので、ぜひお試しください。
ノンフライヤーはまずい!と後悔しないため購入ガイド

後悔しないためのノンフライヤーの選び方
ノンフライヤー選びで失敗や後悔をしないためには、流行や価格だけで判断せず、ご自身のライフスタイルやキッチンの環境に本当に合った製品を見極めることが何よりも重要です。
ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないための、具体的な4つのチェックポイントを詳しく解説します。
1. 容量で選ぶ(誰が、何人分、何を作るか)
容量は製品選びの出発点であり、最も重要な基準です。
単に家族の人数で決めるのではなく、「誰が」「何を」作るのかを具体的にイメージすることが大切です。
一般的な目安として、「1人暮らし(お弁当のおかずや晩酌のおつまみ)なら~2.5L」「2~3人家族(平日の夕食)なら2.5L~4.5L」「4人以上の家族(週末にまとめて調理)なら4.5L以上」を基準に考えると良いでしょう。
ただし、前述の通り一度に美味しく作れる量は限られるため、唐揚げやポテトなどを一度にたくさん作りたい場合は、実際の家族構成より少し大きめの容量を選ぶのが、結果的な満足度を高める秘訣です。
2. サイズとデザインで選ぶ(どこに、どう置くか)
容量と本体サイズは基本的に比例します。
キッチンのどこに置くのかを事前に決め、必ず設置スペースの幅・奥行き・高さをメジャーで正確に計測しておきましょう。
特に見落としがちなのが、収納せずに常時キッチンに出しておく「見せる置き方」をする場合のデザイン性です。
最近では、インテリアに馴染むスタイリッシュなデザインの製品も増えています。
毎日使うものだからこそ、愛着の持てるデザインかどうかも重要な選択基準になります。
3. 機能性で選ぶ(どこまで使いこなしたいか)
ノンフライヤーの機能は、シンプルなものから驚くほど多機能なものまで千差万別です。
自分の調理スタイルに合わせて必要な機能を見極めましょう。
機能 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
温度・時間設定 | ダイヤル式は直感的。タッチパネル式は細かく正確な設定が可能。 | 料理初心者にはダイヤル式、レシピ通りに作りたい人にはタッチパネル式。 |
プリセットメニュー | 唐揚げ、ポテト、エビフライなど、ボタン一つで最適な設定を自動で行う機能。 | 機械操作が苦手な人、考える手間を省きたい人。 |
付加調理モード | グリル、ロースト、ベイク(お菓子作り)、解凍、さらには発酵機能を備えたモデルも。 | ノンフライ調理以外にも幅広く活用したい人、設置スペースを節約したい人。 |
中が見える窓 | 調理中の焼き加減を目で確認できる。最近のトレンド機能。 | 焼き過ぎなどの失敗を防ぎたい人、調理過程を楽しみたい人。 |
4. 手入れのしやすさで選ぶ(どこまで許容できるか)
どんなに高機能な調理家電も、手入れが面倒だと次第に使われなくなってしまいます。
長く愛用するためには、お手入れのしやすさが決定的に重要です。
バスケットや内網が本体から完全に取り外して丸洗いできるかは最低限確認したい必須ポイント。
さらに、食洗機に対応しているかどうかも、日々の負担を大きく左右します。
また、バスケットのコーティング(フッ素加工など)がしっかりしているか、パーツの凹凸が少なく洗いやすい形状かも、ショールームや家電量販店で実物を確認できると安心です。
今さら買うのはオワコンなのか買うべきか

「ノンフライヤーってもう古い?」「一時期流行ったけど、今さら買うのはオワコン(時代遅れ)なんじゃない?」といった声は、インターネット上で時折見られます。
確かに、日本に登場した2010年代初頭の爆発的なブームは落ち着き、目新しさは薄れています。
しかし、それはノンフライヤーが「一過性のブーム品」から、電子レンジや炊飯器のような「一家に一台の定番調理家電」へと、その立ち位置を確立しつつある証拠と言えます。
一時の熱狂が去った今、その真の利便性を理解したユーザーに着実に支持され、市場は成熟期に入っているのです。
ノンフライヤーを今こそ「買うべき」なのはこんな人
- 健康意識が高い人:日々の食事から少しでも余分な脂質を減らしたいと考えている。
- 家事の時短を追求する人:調理後の油の処理やコンロ周りの掃除といった手間を根本的になくしたい。
- 安全性を重視する人:小さなお子様や高齢の家族がおり、火を使わない安全な調理環境を求めている。
- 効率性を求める「ながら調理」派の人:調理中は他の家事や自分の時間に充てたい。
- 食のクオリティを上げたい人:スーパーのお惣菜や冷凍食品を、ひと手間かけて格段に美味しく食べたい。
むしろ、健康志向の定着、共働き世帯の増加による時短ニーズ、そして冷凍食品の進化といった現代社会のトレンドは、ノンフライヤーの価値をさらに高めています。
もし上記の項目に一つでも強く共感するなら、ノンフライヤーは決して「オワコン」ではなく、あなたの生活をより豊かで快適にしてくれる、今こそ「買うべき」価値のある調理家電だと言えるでしょう。
人気のニトリ・パナソニック製品を比較
数あるノンフライヤーメーカーの中でも、特に比較検討されやすいのが、圧倒的な価格競争力を持つ「ニトリ」と、日本の大手家電メーカーとしての絶大な信頼と技術力を誇る「パナソニック」です。
両社の製品は、ターゲットとするユーザー層や設計思想が大きく異なります。
ニトリ:『お、ねだん以上。』を体現するシンプル&ロープライス
ニトリのノンフライヤーは、そのキャッチコピー通り、調理機能を基本に絞り込むことで、誰もが手を出しやすい圧倒的な低価格を実現しているのが最大の強みです。
「ノンフライヤーというものを一度試してみたい」「複雑な機能は不要で、直感的に使えるものがいい」という入門者や、シンプルな操作性を求めるユーザー層から絶大な支持を得ています。
多くが昔ながらのダイヤル式を採用しており、説明書を読まなくても感覚的に使える手軽さが魅力です。
パナソニック:技術の粋を集めた多機能・高性能な複合調理器
一方、パナソニックは現在、ノンフライヤー単体の製品ラインナップは縮小傾向にあり、その技術はスチームオーブンレンジ「ビストロ」シリーズなどの複合調理家電に「ノンフライ調理機能」として昇華・搭載されているケースが主流です。
価格帯は高価になりますが、これ一台で本格的なオーブン料理、グリル、スチーム、そしてレンジ機能に加え、プロ級のノンフライ調理まで可能になります。
キッチンのスペースを有効活用しつつ、日々の料理の幅を格段に広げたい、本物志向のユーザーに適しています。
比較項目 | ニトリ | パナソニック (ビストロシリーズ) |
---|---|---|
コンセプト | ノンフライ調理の入門機・手軽さの追求 | キッチンの中核を担う多機能調理器 |
主な機能 | ノンフライ調理(温度・時間設定) | ノンフライ、オーブン、グリル、スチーム、レンジ等 |
操作方法 | ダイヤル式(直感的) | タッチパネル式(多機能・高精細) |
想定価格帯 | 5,000円~8,000円程度 | 50,000円~150,000円程度 |
おすすめな人 | 初心者、単機能で十分な人、コストを最優先する人 | 本格的な料理もしたい人、多機能な1台を求める人、設置スペースを節約したい人 |
用途や人数で選ぶおすすめモデル

ニトリやパナソニック以外にも、現在のノンフライヤー市場は個性豊かなブランドが競い合っており、選択肢は非常に豊富です。
ここでは、具体的な用途や家族構成といったライフスタイルの切り口から、今人気を集めているモデルのタイプをご紹介します。
一人暮らし・二人暮らしに最適「コンパクトタイプ」
容量が2L前後のコンパクトなモデルは、近年のトレンドの一つです。
A4サイズのスペースに収まる製品も多く、収納場所を取らないため、キッチンスペースが限られる環境でも気軽に導入できます。
少量のおかずや、お弁当の一品、晩酌のおつまみなどを、必要な分だけ手早く調理するのに最適です。
デザイン性を重視したモデルも多く、インテリアの一部として楽しむユーザーも増えています。
代表的な人気ブランド:récolte(レコルト)、YAMAZEN(山善)、Toffy(トフィー)など
3人以上の家族の食卓を支える「大容量タイプ」
容量が4L以上のファミリーサイズは、食べ盛りの子供がいるご家庭や、週末にまとめて作り置きをする家庭の強い味方です。
一度にたくさんの量を調理できるため、調理の回数が減り、結果的に時間の節約に繋がります。
鶏肉を丸ごとローストできるような超大容量モデルも存在し、ホームパーティーなどでも活躍します。
バスケットの形状が四角いタイプは、丸型に比べてデッドスペースが少なく、食材を効率よく並べられるため人気があります。
人気ブランドのCOSORIに関しては以下の記事で詳しく取り上げているのでご確認ください。
代表的な人気ブランド:COSORI(コソリ)、Innsky(インスカイ)、Wallfireなど
【最新トレンド】調理の失敗を防ぐ「ビジュアル重視」タイプ
最近のノンフライヤー市場で最も注目されているのが、調理中に庫内の様子が外から見える「窓付き」や「全面ガラス製」のモデルです。
従来機の「中が見えない」という欠点を解消し、焼き加減をリアルタイムで確認しながら調理できるため、「気づいたら焦げていた」といった失敗を劇的に減らすことができます。
調理過程が見えるライブ感も楽しく、料理へのモチベーションを高めてくれると好評です。
ご自身のライフスタイルや、ノンフライヤーに何を最も求めるのかを明確にすることで、数多くの製品の中から最適な一台がきっと見つかるはずです。
「ノンフライヤーはまずい」は誤解です
この記事をまとめました。