
ノートパソコンを選ぶ際、「ノートパソコンは有機ELと液晶のどっちが最適か?」と悩む人は多い。
有機ELは圧倒的なコントラスト比と鮮やかな発色が魅力だが、「有機ELと液晶はどっちが綺麗?」と気になる人もいるだろう。
また、ゲーム用途では「ゲームにはどちらが向いている?」という視点も重要になる。
有機ELは応答速度が速く映像の残像が少ないものの、「有機ELの焼き付き」のリスクがある。
一方、IPS液晶は「OLEDとIPSの違い」において視野角の広さや色の安定性が強みとされている。
さらに、作業用途によっては「有機ELは文字がにじむ?」と感じることがあり、「有機ELと液晶ではどちらが目に優しい?」という点も考慮する必要がある。
ノートパソコンをどの用途で使うかによって、「有機ELと液晶のメリット」「有機ELと液晶のデメリット」を理解し、最適な選択をすることが大切だ。
本記事では、「有機ELと液晶の違い」を詳しく解説し、「シーン別おすすめ」のディスプレイ選びまで徹底的に紹介する。
ノートパソコンの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。
◎記事のポイント
- 有機ELと液晶の基本的な違いと仕組み
- それぞれのメリット・デメリットと使用に適した用途
- ゲームや作業などのシーン別のおすすめディスプレイ
- 有機ELの焼き付きや寿命、視認性に関する注意点
ノートパソコンは有機elと液晶のどっちが最適?

有機elと液晶の違いを理解しよう

有機ELと液晶は、どちらもノートパソコンのディスプレイとして利用されていますが、技術の仕組みや特性が異なります。
そのため、使用感や表示性能に違いが生まれます。
まず、有機EL(OLED)は「自発光ディスプレイ」と呼ばれ、各ピクセルが独立して発光します。
バックライトを必要とせず、画面全体が薄型化できるのが大きな特徴です。
一方で、液晶(LCD)はバックライト方式を採用しており、光を遮ることで色を表現します。
これは構造上、黒の再現性やコントラスト比に影響を及ぼします。
発色の面では、有機ELの方が圧倒的に優れています。
ピクセル単位で発光を制御できるため、黒を完全に「消灯」して表示可能です。
その結果、より鮮やかでコントラストの高い映像を映し出すことができます。
一方、液晶はバックライトの光を遮ることで黒を表現するため、どうしても若干の光が漏れ、黒がややグレーがかった色味になってしまいます。
特に映画やゲームなど、暗い場面が多いコンテンツではその違いが顕著に現れます。
また、消費電力の面でも違いがあります。
有機ELは黒い部分では発光を停止するため、画面に暗い部分が多い映像では省電力になります。
しかし、全体的に明るい表示が続く場合は、逆に消費電力が増える傾向があります。
液晶は常にバックライトが点灯しているため、明るい画面でも暗い画面でも消費電力はほぼ一定です。
そのため、バッテリー駆動時間を重視する場合は、用途に応じた選択が必要になります。
ただし、有機ELには「焼き付き」のリスクがあります。
これは、同じ映像を長時間表示し続けることで、画面に残像のような跡が残ってしまう現象です。
特にノートパソコンの場合、タスクバーやアプリのUIなど、固定された表示が多いため、長期間使用すると影響が出る可能性があります。
液晶はこの点において、焼き付きが発生しにくいため、長時間の作業用途では安定した表示を維持しやすいと言えます。
このように、有機ELと液晶にはそれぞれ異なる特性があり、どちらが優れているかは用途によって異なります。
画質を重視するなら有機EL、安定した表示とバッテリー駆動時間を重視するなら液晶、といった選び方が適しているでしょう。
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの特性や違いについては双葉電子工業株式会社の「OLEDの特長」で詳しく解説されています。
有機ELと液晶はどっちが綺麗?
映像の美しさという観点では、有機ELの方が一般的に高評価を受けています。
これは、コントラスト比の高さや色の再現性に優れているためです。
有機ELは、各ピクセルが独立して発光するため、黒の表現が非常に深く、暗い部分と明るい部分のコントラストが際立ちます。
例えば、夜空のシーンでは、星の輝きがよりくっきりと映え、映画や写真をよりリアルに感じることができます。
特にHDR(ハイダイナミックレンジ)対応のコンテンツでは、有機ELの優位性がさらに際立ちます。
一方、液晶はバックライトの光を利用して表示を行うため、黒の部分にも若干の光が透過してしまい、完全な黒を表現するのが難しくなります。
そのため、コントラスト比が低くなり、映像が若干ぼやけたように感じることがあります。
しかし、IPSパネルを採用した液晶は視野角が広く、色の再現性も向上しているため、一般的な用途では十分な画質を提供します。
また、色の鮮やかさに関しても、有機ELはDCI-P3やAdobe RGBといった広色域をカバーできるものが多く、映像制作や写真編集といった色の精度が求められる作業に適しています。
例えば、青空のグラデーションや肌の質感など、より自然な色合いで表示できる点は大きなメリットです。
ただし、白の表示に関しては液晶の方が有利な場合があります。
有機ELは発光するピクセルの組み合わせで白を作り出すため、全体的に若干青みがかった色合いになることがあります。
一方、液晶はバックライトの特性を活かして、より安定した白の表示が可能です。
このように、有機ELは映画やゲームなどのコンテンツを高画質で楽しむのに適している一方で、液晶は安定した表示を求める用途に向いています。
特に、長時間の作業やオフィス用途では、液晶の方が快適に使えるケースもあるでしょう。
有機ELと液晶ではどちらが目に優しい?

ディスプレイを長時間使用する場合、目への負担は大きな問題になります。
有機ELと液晶のどちらが目に優しいかについては、使用環境や個人の感じ方にも左右されますが、それぞれの特性を理解することで最適な選択ができます。
有機ELの大きな利点は、黒が完全に表示できることです。
バックライトを使わないため、画面全体の明るさを低く抑えられ、目の負担を軽減できます。
特に、暗い環境での使用時に効果を発揮し、画面からのブルーライトの放射量も少ないため、長時間の使用でも目が疲れにくいという意見もあります。
しかし、有機ELは画面のチラつき(PWM調光)を伴う製品が多い点に注意が必要です。
PWM調光とは、画面の明るさを細かく点滅させることで調整する仕組みですが、この点滅が人によっては目の疲れや頭痛を引き起こすことがあります。
特に低輝度設定時に発生しやすいため、暗い環境で長時間使用する場合は、設定を調整することが求められます。
一方、液晶はバックライトを使用しているため、画面全体が均一な明るさを保ちやすく、PWM調光を使わないモデルも多くあります。
そのため、目の負担を考えると、液晶の方が快適に使用できる場面も多いでしょう。
特にノングレア(非光沢)液晶は反射が少なく、オフィスワークや長時間の作業には向いています。
また、白背景に黒文字を表示するような文章作成やプログラミング作業では、液晶の方が視認性が良い場合があります。
有機ELは文字の輪郭がわずかにぼやけることがあるため、小さなフォントサイズで作業をする場合は、液晶の方が目が疲れにくいと感じることもあるでしょう。
目の負担を抑えたい場合は、長時間の作業には液晶、映画やゲームなどを楽しむ場合は有機ELといったように、用途に応じた選択が重要です。
最適なディスプレイを選ぶことで、快適な作業環境を維持できるでしょう。
有機elと液晶の寿命はどちらが長い?

ノートパソコンのディスプレイを選ぶ際に、画質や発色の良さだけでなく、どれくらい長く使えるかも重要なポイントになります。
有機EL(OLED)と液晶(LCD)の寿命を比較すると、一般的に液晶のほうが長持ちするとされています。
しかし、具体的にどのような違いがあるのかを理解することで、より適切な選択ができるでしょう。
まず、有機ELの寿命は、発光素子の劣化によって決まります。
有機ELディスプレイは、自ら光を発する有機化合物を使用しており、時間の経過とともに発光能力が低下します。
特に青色の有機発光素子は劣化しやすい傾向があり、長期間使用すると色のバランスが崩れ、画面が黄ばんで見えることがあります。
一般的に、有機ELの寿命は3万時間から5万時間程度とされており、1日8時間使用した場合、およそ10年未満で劣化が目立つようになる可能性があります。
また、有機ELの最大の懸念点は「焼き付き」です。
これは、同じ画面を長時間表示し続けることで、その部分だけ劣化が進み、うっすらと影のような跡が残る現象を指します。
例えば、ノートパソコンではタスクバーやウィンドウの枠など、固定表示される要素が多いため、長時間の使用で焼き付きが発生するリスクがあります。
特に、明るさを高く設定したまま静止画を長時間表示すると、発生しやすくなります。
最近の有機ELディスプレイでは、ピクセルシフト機能(画面のドットを微細に移動させる技術)や画面の自動調整機能が搭載され、焼き付きのリスクを軽減する対策が取られていますが、完全に防ぐことは難しいのが現状です。
一方、液晶ディスプレイはバックライト方式を採用しているため、発光素子の劣化による画面の変色や焼き付きが発生しにくいという特徴があります。
液晶の寿命は一般的に5万時間から10万時間といわれており、1日8時間使用しても10年以上安定して使える計算になります。
これは、液晶自体が光を発するわけではなく、バックライトを利用して表示しているためです。
ただし、バックライトのLEDも時間とともに劣化し、徐々に暗くなったり色味が変化したりすることがありますが、その変化は有機ELの色劣化よりも緩やかです。
このように、ノートパソコンのディスプレイとしては、寿命の面で液晶が有利です。
特に長時間の作業を前提とする場合や、頻繁に静止画を表示する用途では、液晶のほうが安定して使えるでしょう。
一方で、有機ELは高画質な映像や鮮やかな色表現を求める場合には魅力的な選択肢となります。
そのため、寿命と画質のどちらを優先するかによって、最適なディスプレイを選ぶことが重要です。
有機elは文字がにじむ?視認性を比較
ノートパソコンのディスプレイ選びでは、映像の美しさだけでなく、文字の見やすさも重要なポイントになります。
特に仕事や学習で長時間パソコンを使用する場合、文字の視認性が悪いと目が疲れやすくなるため、快適な作業環境を作る上で慎重に選ぶ必要があります。
有機ELと液晶では、どちらが文字を見やすく表示できるのでしょうか?
有機ELディスプレイは、鮮やかな発色と高コントラストが特徴ですが、文字の表示に関しては液晶と比較して「にじんで見える」と感じる場合があります。
これは、有機ELが「ペンタイル配列」と呼ばれるピクセル構造を採用しているためです。
ペンタイル配列では、通常のRGB(赤・緑・青)の画素とは異なり、一部の色のピクセルが共有される構造になっており、細かい文字の輪郭が若干ぼやけることがあります。
特に、小さなフォントサイズで作業する場合や、高解像度のディスプレイを使用する場合、このにじみが気になることがあります。
例えば、文書作成やプログラミングのように細かい文字を長時間見続ける作業では、液晶の方がくっきりと文字を表示できるため、視認性が高くなります。
一方、有機ELは黒の表現が優れているため、ダークモードを使用する場合は、背景と文字のコントラストがはっきりし、見やすくなることもあります。
一方、液晶ディスプレイは、RGB配列が基本となっており、文字の表示がシャープになります。特にIPSパネルを採用した液晶は視野角も広く、どの角度から見ても文字がはっきり見えるため、文書作成やウェブブラウジングには適しています。
また、ノングレア(非光沢)の液晶を選ぶことで、外光の反射を抑え、さらに見やすい環境を作ることができます。
ただし、最近の有機ELディスプレイでは、解像度を高めることでペンタイル配列の欠点を補い、文字の視認性を向上させたモデルも登場しています。
特に3Kや4K解像度の有機ELディスプレイでは、文字の輪郭がより滑らかに表示され、にじみが気になりにくくなっています。
そのため、一般的な作業であれば、有機ELでも問題なく使用できるでしょう。
文字の視認性を最優先に考える場合、液晶ディスプレイが有利ですが、有機ELディスプレイを使用する場合でも、適切な解像度と設定を調整すれば快適に使用できます。
作業用途が中心なら液晶、映像の美しさを優先するなら有機ELといった選択が理想的でしょう。
ノートパソコンは有機elと液晶のどっちを選ぶべきか?

ゲームにはどちらが向いている?

ノートパソコンでゲームを楽しむ場合、ディスプレイの種類はプレイの快適さに大きく影響します。
有機ELと液晶のどちらがゲーミング用途に適しているかは、求める要素によって変わります。
それぞれの特徴を理解し、どんなゲームに向いているのかを考えてみましょう。
まず、有機ELディスプレイは応答速度が非常に速いという利点があります。
画素が個別に発光し、バックライトを必要としないため、画面の切り替えが速く、動きのブレや残像が少ないのが特徴です。
FPS(ファーストパーソン・シューティング)やレースゲームのような、動きの速いゲームをプレイする場合には、この応答速度の速さが大きなメリットになります。
また、コントラスト比が高いため、暗いシーンではより鮮明に敵やオブジェクトを認識しやすくなり、没入感の向上にもつながります。
一方、液晶ディスプレイは、明るさの安定性や価格の面で有機ELに比べて優れています。
特に、IPS液晶を搭載したノートパソコンでは、色の正確性と視野角の広さが強みです。
さらに、リフレッシュレートが高いゲーミング用の液晶ディスプレイ(144Hzや240Hz対応)も多く、市場にはゲーミング特化のモデルが豊富に揃っています。
リフレッシュレートとは、1秒間に画面が更新される回数のことで、これが高いほど動きが滑らかに見えます。
現在の有機ELディスプレイは、多くが60Hzから120Hz程度ですが、ゲーミング液晶ディスプレイは240Hz以上のモデルもあり、動きのスムーズさでは液晶の方が有利になることがあります。
また、有機ELは長時間ゲームをプレイする際に注意が必要です。
特定のUI(ユーザーインターフェース)やスコア表示などが常に画面上に残るゲームでは、「焼き付き」のリスクがあります。
これに対し、液晶は焼き付きの心配がなく、長時間プレイしても画面の劣化を気にする必要がありません。
こうした点を考慮すると、FPSやアクションゲームのように動きの速いゲームをプレイする場合は、応答速度の速い有機ELが向いています。
ただし、リフレッシュレートの高さや長時間使用の安定性を考慮するなら、ゲーミング液晶モデルが有力な選択肢となるでしょう。
自分のプレイスタイルに応じて最適なディスプレイを選ぶことが、より快適なゲーム体験につながります。
有機elの焼き付きのリスクと対策

有機ELディスプレイの最大のデメリットの一つが「焼き付き」です。
これは、特定の画像やUI(ユーザーインターフェース)が長時間表示されることで、画面に残像が定着してしまう現象を指します。
特にノートパソコンでは、タスクバーやソフトウェアのメニューなど、常に表示される部分が多いため、焼き付きのリスクが高まります。
では、どのような状況で焼き付きが発生しやすく、どのように対策すればよいのでしょうか?
焼き付きが起こる主な原因は、有機ELディスプレイの発光素子の特性にあります。
有機ELは画素ごとに光を発するため、特定のピクセルが長時間同じ色を表示し続けると、その部分の発光効率が低下し、周囲のピクセルとの差が生まれてしまいます。
その結果、画面に薄く残像が残ることになります。
特に注意が必要なのは、デスクワーク用途やゲームプレイの際に、固定表示されるUIやステータスバーです。
例えば、ブラウザのアドレスバーや、動画編集ソフトのツールバーなどは常に画面に表示されるため、焼き付きの原因になりやすいです。
こうした問題を防ぐためには、いくつかの対策があります。
- 画面の自動調整機能を活用する
最新の有機ELディスプレイには、ピクセルシフト機能(画面のピクセルをわずかに移動させて焼き付きの発生を分散させる機能)や、一定時間静止画が続くと画面を暗くする「スクリーンセーバー機能」が搭載されていることが多いです。これらを有効にすることで、焼き付きのリスクを軽減できます。 - 明るさを適切に調整する
有機ELは高輝度で使用すると発光素子の劣化が早まります。そのため、画面の明るさを自動調整にしたり、必要以上に高輝度で使わないようにすることで、焼き付きのリスクを低減できます。 - UIのレイアウトを定期的に変更する
長時間同じレイアウトで作業するのではなく、タスクバーの位置を変えたり、ウィンドウの配置を調整したりすることで、特定のピクセルに負担がかかるのを防げます。 - ダークモードを活用する
有機ELは黒色を表示する際に発光しないため、ダークモードを使用すると画素の負担を軽減できます。特に、文書作成やブラウジングなどの用途では、積極的にダークモードを活用するのがおすすめです。
これらの対策を適切に実施すれば、有機ELの焼き付きリスクを大幅に抑えることができます。
高画質なディスプレイを長く快適に使うためにも、日常的な工夫が重要になります。
OLEDとIPSとはディスプレイ技術を指す

OLED(有機EL)とIPS(液晶ディスプレイの一種)は、どちらもディスプレイ技術を指しますが、その仕組みや特徴には大きな違いがあります。
現在、ノートパソコンやスマートフォン、テレビなどに広く採用されているこれらのディスプレイ技術を理解することで、用途に応じた最適な選択ができるようになります。
まず、OLED(有機EL:Organic Light Emitting Diode)は、「有機発光ダイオード」とも呼ばれ、各画素が自ら発光するディスプレイ技術です。
この特徴により、バックライトを必要とせず、非常に薄く作ることが可能です。
また、画素ごとに発光を制御できるため、コントラスト比が非常に高く、特に「黒」の表現が優れています。
有機ELは、完全な黒を表示する際にその部分の画素が発光しないため、バックライト方式のディスプレイと比較して、より深い黒を再現できるのが特徴です。
これにより、映画や動画コンテンツの視聴時に、より鮮やかでリアルな映像を楽しむことができます。
加えて、OLEDは応答速度が非常に速いため、映像の残像が少なく、動きの速いコンテンツ(スポーツ中継やアクションゲームなど)にも適しています。
しかし、有機ELにはデメリットもあります。
例えば、「焼き付き」と呼ばれる現象が発生しやすく、特定の画面を長時間表示すると、その部分の画素が劣化して残像が残る可能性があります。
また、液晶ディスプレイと比較すると、寿命が短いとされることもあります。
一方、IPS(In-Plane Switching)は、液晶ディスプレイ(LCD)の一種で、特に広視野角と色の再現性の高さが特徴です。
IPS液晶は、液晶分子を横方向に配置することで、どの角度から見ても色や明るさが変わりにくく、視認性が安定しているのが強みです。
これにより、色の正確さが求められる写真編集やデザイン作業、オフィスワークなどに適しています。
また、OLEDのように自発光するわけではなく、バックライトを利用して表示するため、焼き付きの心配がなく、長期間安定して使用できるのもメリットです。
ただし、IPS液晶は、バックライトを使用しているため、黒の表現がOLEDほど深くなく、コントラスト比が劣る点がデメリットとなります。
また、応答速度はOLEDよりも遅いため、動きの速い映像では残像が発生することがあります。
しかし、最近のゲーミング向けIPS液晶では、リフレッシュレートの向上やオーバードライブ技術の採用によって、応答速度の問題が改善されつつあります。
このように、OLEDとIPSはそれぞれ異なる特徴を持っており、どちらが優れているかは用途によって異なります。
映画鑑賞やゲームなど、画質の美しさを求める場合はOLEDが適しています。
一方で、長時間の作業や色の正確性を重視する場合は、IPS液晶が有利です。どちらを選ぶかは、自分の使い方に合った特徴を考慮することが大切です。
ノートパソコンにおける有機ELと液晶のメリット

ノートパソコンのディスプレイとして、有機EL(OLED)と液晶(LCD)はそれぞれ異なる特性を持っています。
どちらを選ぶべきかを判断するには、それぞれのメリットを理解することが重要です。
有機ELのメリット
有機ELの最大のメリットは、高いコントラスト比と優れた色再現性です。
各ピクセルが独立して発光するため、特に「黒」の表現が優れています。
これは、バックライトを必要とする液晶ディスプレイでは実現が難しいポイントです。
そのため、映画や動画の視聴、画像編集など、映像美を重視する用途に最適です。
また、応答速度が非常に速いのも有機ELの利点です。
液晶ディスプレイは、バックライトの光を液晶分子が制御するため、画面の書き換えに若干のタイムラグが生じます。
しかし、有機ELは画素自体が発光するため、動きの速い映像やゲームにおいてもブレや残像が少なく、快適な視聴体験を提供します。
さらに、薄型・軽量化が可能な点も魅力の一つです。
バックライトが不要なため、ディスプレイの厚みを抑えられ、ノートパソコン全体の軽量化にも貢献します。
持ち運びが多いモバイル用途のノートパソコンでは、この点が大きなメリットになります。
液晶ディスプレイのメリット
一方で、液晶ディスプレイにも多くのメリットがあります。
耐久性の高さは、その代表的なものです。
有機ELは、長期間の使用による「焼き付き」や劣化のリスクがありますが、液晶はこれらの心配が少なく、安定して長く使い続けられます。
また、価格が比較的安いのも液晶のメリットです。
有機ELディスプレイは製造コストが高く、同じスペックのノートパソコンであれば、液晶モデルのほうがリーズナブルに購入できます。
コストパフォーマンスを重視するなら、液晶のほうが選択肢が広がります。
さらに、高輝度の液晶ディスプレイは屋外でも視認性が高いという利点があります。
有機ELは明るさを上げると消費電力が増え、画面の寿命にも影響を与えるため、屋外での視認性が求められるシーンでは、液晶のほうが適しています。
ノートパソコンにおける有機ELと液晶のデメリット

どちらのディスプレイもメリットがある一方で、デメリットも存在します。
ノートパソコンを選ぶ際には、これらの欠点も理解した上で、使用目的に適したモデルを選ぶことが重要です。
有機ELのデメリット
有機ELの最大のデメリットは、焼き付きのリスクがあることです。
特定の画像やUI(ユーザーインターフェース)が長時間表示されると、その部分が劣化し、画面に薄く残像が残ることがあります。
たとえば、ブラウザのタブバーや、タスクバーなどが長期間固定表示されると、焼き付きが発生しやすくなります。
また、寿命が液晶より短いという点もデメリットです。
有機ELは画素が自発光するため、時間の経過とともに発光能力が低下していきます。
特に青色の有機物は劣化が早く、長期間使用すると画面全体の色が変化してしまうことがあります。
さらに、価格が高いという点も見逃せません。
有機ELを搭載したノートパソコンは、基本的にハイエンドモデルに採用されることが多く、同じスペックの液晶モデルよりも価格が高くなりがちです。
コストを抑えたい場合、有機ELモデルは選びにくいかもしれません。
液晶ディスプレイのデメリット
液晶ディスプレイのデメリットとして挙げられるのは、コントラスト比が有機ELに劣ることです。
バックライトを使用するため、黒を完全に表現することができず、全体的に白っぽく見えることがあります。
特に、映画鑑賞や写真編集など、色の再現性が求められる用途では、物足りなさを感じるかもしれません。
また、応答速度が有機ELより遅いため、動きの速い映像やゲームでは、残像が発生しやすくなります。
最近のゲーミング向け液晶ディスプレイはこの点を改善する技術が導入されていますが、依然として有機ELには及びません。
さらに、ディスプレイの厚みがあるため、デバイス全体がやや重くなるという欠点もあります。
バックライトの搭載が必要なため、有機ELと比較すると厚みが増し、モバイル用途のノートパソコンでは携帯性の面で不利になることがあります。
シーン別おすすめのディスプレイ

ノートパソコンを選ぶ際、どのディスプレイが適しているかは使用用途によって変わります。
それぞれのシーンに応じた最適なディスプレイを紹介します。
動画視聴・映像編集には有機EL
映画鑑賞や動画編集をメインにする場合、有機ELが最適です。
コントラスト比が高く、深い黒を表現できるため、映像のクオリティが向上します。
また、HDR(ハイダイナミックレンジ)コンテンツの再生時にも、有機ELは明暗差をしっかりと表現できるため、よりリアルな映像を楽しめます。
ゲーミング用途にはどちらも選択肢あり
ゲームをする場合は、有機ELと液晶のどちらも選択肢になります。
FPSやアクションゲームのように動きの速いゲームでは、有機ELの応答速度の速さが有利です。
一方で、高リフレッシュレートを求めるなら、240Hz以上に対応したゲーミング液晶ディスプレイのほうが適しています。
焼き付きが気になる場合は、液晶のほうが長時間の使用に向いています。
オフィスワーク・プログラミングには液晶
長時間の作業をする場合は、液晶ディスプレイが適しています。
有機ELは発色が鮮やかで美しいものの、文字のにじみが発生することがあり、文書作成やコーディングには向いていません。
また、焼き付きのリスクを考慮すると、固定表示が多いオフィス作業には液晶のほうが安心です。
屋外での使用には液晶が有利
外出先でノートパソコンを使う場合は、液晶のほうが適しています。
液晶ディスプレイは高輝度のモデルが多く、日光下でも見やすいのが特徴です。
有機ELは輝度を上げると消費電力が増え、バッテリー持ちが悪くなるため、モバイル用途には不向きな場合があります。
このように、使用シーンによって適したディスプレイは異なります。
自分の用途に合ったディスプレイを選ぶことで、より快適なノートパソコンライフを送ることができるでしょう。
ノートパソコンは有機elと液晶のどっちを選ぶべきか総まとめ
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